心理カウンセラー・セラピストとして大切なこと
今では、多種多様なセラピスト・カウンセラーが増え続けていますが、相談者の話しを聴けない人達、相談者を否定する人達も多くいるようです。先日も、そのような投稿を目にしたので、改めて心理カウンセラー・セラピストとして大切なことを書いてみようと思います。
あなたが相談者の立場であるなら、セラピストやカウンセラーを選ぶ際のひとつの指標に、あなたがセラピストやカウンセラーなら、初心に戻って読んでみてください。
私が養成講座(LPTセラピスト、魔法の質問カードマスター)でお伝えしていることですが、人の人生に関わらせていただく、こころを扱っているなら、手技手法に関係なく、どんなカウンセラーやセラピスト(以下セラピストと表現します)にとっても、基本の基であり、最重要なことだと思ってますので、時々立ち戻ってチェックしてもらえたらと思います。
セラピストが、カウンセリングやセラピーセッションをする際にとても大切なことは、問題を解決するための手段であるカウンセリング・セラピー手法(スキル)を信頼していること、は大前提ですね。
カウンセラー・セラピストとして大切な3つの状態
その大前提の上で大切なのは
- クライアントさん(相談者さん)には、自分で問題を解決できる力がある、ということをセラピスト側が信じている状態であること
- クライアントさんが、どんな選択、答えを出しても、それが、今のそのひとにとって最善最適であることを知っている、という状態であること
- 正誤、良い悪いをジャッジ(判断・判定)しない位置:ニュートラル(ゼロ)ポジションの状態であること
この3つの状態を保つために、セッション中の自分自身に気づけないと、セラピストのフィルターのままにクライアントさんを誘導してしまうため、答えが歪んでしまい、意味のないセッションとなります。クライアントさんのための場でありながら、セラピストの自己満足の場になってしまうのです。
セッションする側のこころが淀んでいたり、カラカラな状態だと、無意識のうちに人をコントロールしたりジャッジしたり、外側からのエネルギーで自分を満たそうとしてしまう。
なのでセラピストが、セッション中の自分自身の状態に気づけ、その都度、ゼロポジションに戻ることは最も重要なことです。
あなたはいかがでしょう?自分自身に気づけていますか?
セルフケアできていますか?
セラピストは神様ではありませんので、悩みや問題が一切ないかといえば、そんなことはありませんよね。生きていれば、その都度、悩みを抱える時も、腹が立つ時もあります。
その際、自分に向き合うために一役かってくれるのが、親、子ども、パートナー、友人などの身近な存在。なぜなら、自分のこころの状態は、外側に現れるからですね。
身近な人間関係の問題を解決していない、また完全に解決していなくとも、『自分の中で、折り合いがつけられていない状態』では、他者の問題のサポートは本来、困難なはずです。なぜなら、クライアントさんに投影を起こしてしまうからです。
私達セラピストは、自分自身をより良い状態に保つ方法を学んできて、知っています。たとえば・・・
- 気分が上がり下がりの振り幅を少くしてゆく方法
- 嫌な状態に長く留まらず、いち早く抜ける方法
- 感情を感じきる、解放してゆくこと
- 自分で自分を満たしてゆくこと
- 今をより生きやすくしていく方法
など
それ故に日常の中で、これらを実践しセルフケアができていなければ、机上の空論を伝えているだけの薄っぺらいものとなるでしょうから、いろいろなことがうまくいかなくなって当然かもしれません。なによりクライアントさんをより良い方向へサポートするなんて無理な話しというものです。
セッションを行っていない時間
知っている、のと、やっている、のとでは大違いですね。自分に気づけているか、セルフケアができるか、怠っていないかどうか。
学んだ事を日常で、身近な人間関係の中で、実践し続けているかどうか。
私達セラピストは、『セッションを行っていない時間』をいかに過ごしているか、がとても重要なのです。
※四六時中、365日、どんな時も、というお話しではありません。
セラピストとして重要な『あり方』のチェックポイント
- 自分の限界(相談内容は対応できる範囲なのか)を理解しているか
- 余計なアドバイスをしていないか
- 批判、否定していないか
- 話しを遮っていないか
- 答えが出てくるまで、待つことができているか
- 相手のペースを感じ、合わせられているか
- 自分のことばかり喋っていないか
- いま、ここに意識を向けられるか
- 自分自身を満たせているか
- 恐れの選択はしていないか
- 身近な人との関係は良好か
いかがでしょう?
たったひとりのあなたのあり方が、セラピスト・カウンセラー業界全体へ影響を与えることをこころに留めておいてください。
もしこれらの状態を学ぶ機会に恵まれてこなかったのなら、今からでもセラピスト、カウンセラーとしての『あり方』をぜひ身に付けてくださいね。