人間関係で悩んでいるなら、まずコミュニケーションの本質を見直そう
あなたが人間関係で悩むことが多いなら、他者と、自分自身とコミュニケーションがうまくいってないのかもしれません。私達は、人との関わりなしに生きてはゆけません。ここで一度、コミュニケーションとは何なのかを考えてみましょう。
コミュニケーションとは
さて、コミュニケーションという言葉、日常で、わんさか使われてますが、どういう意味なのか、答えられますか?コミュニケーションとは?と聞かれたら、なんと答えますか?
情報の伝達? 人との付き合い・交流? 意思の疎通? 辞書によれば
社会生活を営む人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うこと。言語・文字・身振りなどを媒介として行われる。
情報の伝達、連絡、通信の意だけではなく、意思の疎通、心の通い合いという意でも使われる。
さらに、私が講座やセミナーでコミュニケーションを取り上げる際、お伝えしていることを付け加えたいと思います。
『自分と他者とは違うことを本当の意味で理解し、相手を受け止め、認めた上で、自分のことを表現し、伝え合い、互いに理解を深めるための行為である』
人間関係がうまくいかない背景
自分の意思、思いが、こちらの思うように伝わらなくて『コミュニケーションがうまく取れない』と言ったりしますよね。
夫婦と、子どもと、上司と、部下と、友人と、コミュニケーションがうまいかない・・・だから、腹が立ったり、悲しくなったりして、辛くなり、悩み始めるわけです。
『自分の意思が、こちらの思うように伝わらない』とは、どういうことでしょう?
企業が求める人材像でも、『コミュニケーション力の高い人』が上位です。そして今では、多くの企業でコミュニケーション系の研修を取り入れてますが、退職・転職理由の多くを占めているのも『人間関係』という事態が起こるのはどうしてなのでしょう?
私が組織で勤めていた頃にも『コミュニケーション能力の高い人』は、本当に少ないと感じていました。
それも上に立つ、リーダーや「長」という役職がついているにも関わらず、リーダー研修を受けているのにも関わらず、そのスキルを活かせていないのは、どういうことでしょう?
コミュニケーションって何でしょう?
コミュニケーション能力とは?
コミュニケーションスキルとは?
コミュニケーションツールとは?
あなたはこの違いを答えられますか?
学んだ人でさえ忘れてしまい、明確に答えられる人が少ないのが現状です。
私がある会社での面接時、人事部長、所属予定の部長から「人とコミュニケーションは上手くとれますか?」と、何度も確認されました。
何故、あんなにしつこく聞かれたのかは、入社してからわかりました。まぁ、部署内に問題児がいたというかなんというか・・・^^;
その当時の私は、すでに30後半でしたが、「コミュニケーションって、誰とでもなんとなく仲良くできればいいんでしょ?」という、とんでもなく間違った認識をしていました。
いろんな業界で仕事をしてくる中、若い頃は、意地悪なおばちゃん達もいたけど、めげずに挨拶続けてたら、仲良くなっていたし、美容師時代も女の園だったけど、いじめられたことはなかったし、システム会社時代も、一見オタクっぽく静かな男性ばっかりだったけど、私が質問ばかりするせいか、私の周りだけは賑やかで楽しく仕事してたし・・・
私は職場での人間関係に苦労した、という記憶があまりなかったので「私はコミュニケーション能力のある人間だ」と自負していました。が・・・蓋を開けてみたら・・・あららコミュニケーション能力って、こういうものだったのね〜、と目から鱗でした。大きな勘違いをしていたという恥ずかしい思い出です^^
厚生労働省が発表している『若年者に求められる就職能力』のトップはコミュニケーション能力です。なのに、転職理由のトップも人間関係という現実。その原因はいったいなんなのでしょう?
その原因を探る前に、コミュニケーション能力、スキル、ツールといった言葉を簡単に記しておきます。
コミュニケーションツール、能力、スキルとは
コミュニケーションとは、一言で言えば、情報の伝達でした。いろんな情報を様々な手段を用いて、互いにそれらを伝え合うということ。
コミュニケーションツール
『様々な手段』というのが、コミュニケーションツールです。たとえば電話やメール、マス(マスコミ)、SNS、手紙、言語(言葉)・非言語(表情・身振り手振り)など。
コミュニケーション能力
環境や目的に応じて、ツールを使いわけ、コミュニケーション(情報の伝達・やりとり)を円滑にする能力がコミュニケーション能力です。
コミュニケーションスキル
そして、その能力を使う時の技術(ここでは簡単に、話す・聞く)がコミュニケーションスキルです。
どうでしょう?何となく掴んでいただけたでしょうか?
これらを研修などで学び、訓練してゆけば、社内の人間関係はよくなるはずですね。ですが現実は、相変わらず、問題ばかり。それはどうしてなのでしょうか。
コミュニケーションがうまくいかない原因
コミュニケーションとは、その意味を冒頭でお伝えしましたが、単純に言えば、アクションすると、反応する、何かが返ってくる、それを相互で行う状態です。
検索する際、キーワード入力すれば、結果が表示され、クリックすれば、ページが変わるのと同じ。
ですが、この時、私達はいろいろな葛藤を抱えることがあります。たとえば、思うような結果が表示されずに腹が立ったり、表示されるのまでに時間がかかってイライラしたり。これを人とのコミュニケーションで考えてみると、同じようなことが言えるのです。
思うような結果が表示されない = 思ったような返事が返ってこない ⇒ 腹が立つ
表示されるのに時間がかかる = 返事が遅い、返ってこない、聞いてるのか? ⇒ イライラする
葛藤が起こるのは、自分が期待していたことと違うからです。もしかすると、自分が入力した検索キーワードが適切でなかったのかもしれないのに・・・^^;
具体的に、大きく分けて原因をみていきましょう。
技術的な問題
そもそも伝わるように伝えていない、伝え方を間違っている、伝える側の意図と、受信する側の捉え方が違うなど。たとえば、用語や状況に対する認識が違うことでも起こります。(ミスコミュニケーション)
ホウレンソウ(報告、連絡、相談)においては、お互いに同じ物事を観ているか、をすり合わせることが大切ですね。
また、これらはコミュニケーション研修やセミナーなどに参加して学んだら、ある程度、解消されます。
学んだのに、活かせない
せっかく時間とお金をかけて学んでも、実際には活かされていないことの方が多いですよね。だから悩みが尽きないのですが、それはなぜでしょう。
自分ごとになっていない、腑に落ちていないので、現場に戻るとルーチンワーク、忙しさの中で忘れてしまう人が多いのです。
学んだことが習慣化するまでは、時間が必要です。職場では、研修後の定期的なフィードバックやフォロー環境が整えられているか、にも左右されますし、個人ともなれば、意識が高くないと、なかなか難しいですよね。
またリーダー格になればなるほど、社内研修に対して、『忙しいのに、受けさせられている』という姿勢で参加していたり、自分はできている、と思い込んでいる、変なプライドが邪魔していることなどが原因としてあげられます。
たとえツールを使いこなすことができても、能力があり、スキルが使えても、実際にコミュニケーションが上手くいかないのは、そのスキル、能力、ツールを使う個人の『あり方』に問題があるのです。
こころの状態が起因している
話してもどうせ無理、わかってもらえないと諦めてしまう、自分の意見を言うのが怖い(どう思われるかばかり気になる)からガマンしてしまう、など過去の経験が固定観念になっている場合があります。
わかっているだろう、と伝えない(ディスコミュニケーション)
「このくらいのことは、わかっているだろう」と、あえて言わないことをディスコミュニケーションと言います。
たとえば長年連れ添っている夫婦、親子だとしても、相手のことを100%理解することは不可能です。わかっている、わかってくれているという思い込みですね。
また日本人特有の『察する』が、当たり前になっているのかもしれません。
これらは、厳しい言い方をすれば、エゴであり怠慢です。
これら様々な原因から起こるコミュニケーションの不具合を解消するため、あなたがストレスをためないため、自分自身のこころを守るためには、『自分コミュニケーション』がとても大切になります。
自分コミュニケーションとは
私がヘッダー画像に入れている『自分コミュニケーション』とは、あなたが、あなた自身とコミュニケーションを行ってゆくこと。こころの声や脳内の独り言、カラダからのメッセージに『気づいてゆく』ことから始めます。
「自分のことなんて、自分が一番よくわかっている」と言われるかもしれませんが、意外と知らない、気づいていないもの。また無意識ですが、本当のこころの声をごまかす癖があったりするものです。
「自分のことがわからない」「自分が好きなこと、やりたいことがわからない」というなら尚さらのこと、自分に気づいてゆく練習が必要です。
自分コミュニケーションをしてゆくことで、悩みや問題は解決してゆくし、自分とのコミュニケーションがうまくいくと、他者とのコミュニケーションが良好になってゆきます。
まずは、自分と、もうひとりの自分との対話をはじめることです。少しずつ、そのコツや方法などをブログで書いてゆきますね。
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